Strange season

毎年、この季節になると

窓から見える日の出の位置がかなり東にずれてくる。

朝6時過ぎに目が覚めると上ったばかりの朝明けの空が広がり、

いつもなら、「ああ、冬が来るなあ」と思う。

 

じわーっと空気が冷えて、夜が深まるこの季節、私は結構好きなのだ。

ところが、今年はどうだろう。

空気は温かく、冬の気配にはほど遠い。

なんだかとても妙だ。

 

でも、その冬の光と暖かさのコントラストが、北インドの冬の朝を連想させてくれたりもする。

 

インドには2018年以来行ってない。

去年のちょうど今頃、ヨガの師であるジョシーが亡くなって

インドと自分を繋いでいた臍の尾がパチンと切れてしまった感じがする。

 

インドに行きたいと言ういう気持ちはあるけれど

前ほど切実ではない。

インドには呼ばれないと行けないなんて言うけれど

本当に呼ばれてない気がする。

 

それでも、ジョシーの一周忌が近づいているせいか

最近またケーララやインドのことをよく思い出す。

 

何度か書いた気がするけど、2018年に私がインドを離れるとき

ジョシーは私に言ったのだ。

「これから、神様が怒って地球から出て行っちゃうんだ。だから、

しばらく世界は大変なことが起こる。でもそれは良くなるために必要なことだから、

ヨガの知恵を守って生活してください。」と。

 

その翌年、ケーララが大きな洪水被害に見舞われて、

ああ、これのことか、と思ったけれど

なんのなんの。いまだに世界は大きな激動の真っ最中だ。

 

コロナで世界中がロックダウンを敢行したころ

まだジョシーとはかろうじて会話ができていて

「ジョシーの言った通りになったね、これはいつ終わるんだろう?」と聞いたら

「いやあ、終わらないねえ」と笑っていた。

 

本当に、全然終わらない、どころか

ますますおかしな方向へ向かっている。

 

私たちは奇妙な流行り病によって、世界中がヒステリックな状態になり、

これまでの日常が突然、変わってしまったのを目の当たりにした。

人と人とが距離を縮めて、話したり、食事したりすることすら

できなくなってしまった。

 

そして

 

今度は別の狂気が、人の頭に入り込んで

人と人とを対立させ、争わせているを見る。

 

歴史の教科書で何度も学んだはずのことが、繰り返されている。

差別と憎しみ。

学校でその歴史を学んだとき、当時の人間は愚かだなって、

呑気に上から目線で眺めていたはずなのに

ものすごい勢いで、同じ狂気が、瘧のように思考を蝕んでいく。

 

どんなふうに決着がつくのか、想像もつかない。

 

天気までもがいつもと違う。

本当に地球のネジがみんな狂っちゃったんだろうか。

 

神様は今どこで、この有様を見ているんだろうか?